高齢者ばかりの社会にはもう一つ大きな問題がある。考えてみていただきたい。自分も含めて、そこに住んでいるのは年寄りばかりなのである。そこではどんな会話が交わされるだろうか。どんなニュースが伝えられるのだろうか。息子や娘は少しも訪ねて来ない。孫たちも顔を見せない。最近、身体の調子が悪い。節々が言うことを聞かなくなってきた。夜になっても眠れない。病院へ行ったら「年だからしょうがない」と言われた。そういえば、どこそこの誰さんは入院したらしい。
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Nさんのおじいちゃんはいよいよ危ないらしい。ああ、ついにYさんが逝ったか……。下手をすれば「今度は誰だ、次は誰だ」という話ばかりになってしまう。毎月のように身近で誰かが亡くなるのだからしかたない。それが老人社会の現実である。「誰の息子が結婚する」とか「あそこの家で赤ん坊が生まれた」といった明るいニュースはほとんどない。未来への希望を尖感させてくれる話題が少ない。そんなところで、生き生きと暮らしていけるものだろうか。老人ホームであれ、老人マンションであれ、老人村であれ、高齢者ばかりの社会は、特有な問題を抱えている。高齢者だけで寄り集まって暮らしてはいけない。自分が六十歳を過ぎた今だからこそ、若い人々と触れ合い、未来への希望を感じられる場所で暮らすほうがいい。
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